【うつ状態のココロ】まるでそこには私は居ないようだった


会社に行く気にはなれなかった。
でも頑張って行った。

負けになるのが嫌だった。

理不尽な圧力に屈したくなかった。



田中さんは何事もなかったように、わーわーと男だけで騒いで話している。彼もメールの返信を見ているはずだ。目撃者なのに、当事者なのに、、

彼は、結婚を控えていた。
なんとそれを理由に給料の交渉をしたと自慢していた。
あり得ないことだ。給料の交渉をすることは悪いこととは言わないが、同僚に話すべきことではない。
奥さんになる人が働かないんだと会社に話して、更新したようだが、実際は共働きするらしい。会社に嘘をついているのだ。
そんなことで、この人に役割を与える会社にも不信感が強い。

それに、篠田さんも、加担しているのだ。

会社の椅子に座るだけでも、惨めな気持ちになった。まったく仕事が進められない。

もうすでに全ての社員に、自分の昨日のやりとりは筒抜けな気がした。

耳鳴りもひどくて、全ての物音が気になり、うるさかった。

トイレに行くと涙が止まらなかった。


唯一安らげる昼休みに、同僚に愚痴った時、言葉が出てきづらく、なにも考えることができなかった。

とにかく、じぶんがいない方がいい気がした。



次の日、篠田さんがきた。

私の横を通るたびに激しい嫌悪感で吐きそうだった。

篠田さんも何事もなかったようにしていたが、

田中さんは14時に出勤すると連絡しておきながら、15時に遅刻してきた。
ほとんど仕事もせず、結婚式の話ばかり。

何事もなかったように流れる時間に、

私はそこにはいないかのように扱われていたし、

自分もそっと息を潜めていた。


ずっと、泣いていた。
帽子を深くかぶり、大きめのストールに埋もれて仕事をして、退勤までの時間を過ごした。。。


もう、限界だった。

耳鳴りの音は夜も眠れない音になっていた。