【うつ状態のココロ】不安

新しい仕事

入社前に事前に説明を受けたけれど。

以前の職場に比べて、とてもとても時間に余裕があった。

それはとても良いことのように思えるけれど、仕事がなく忙しくないという状況は初めてだったので、
はじめはその時間にどうしたらいいのか、戸惑っていた。

はじめは、この時間を自分のために使おうと、勉強したりする時間に当てていたが、お金をもらっている時間をそうやって過ごすことに、
このままでいいのだろうか?
と思う日々が続いた。

給料は申し分ない額を頂いていたが、それが逆に自分の時間が無駄に流れているように感じてしまう原因でもあった。

また、会社の事情で試用期間ということで、業務委託契約を結んでいた為に、保険や年末調整も自分でしなければならない。仕事はないという理由で自ら辞めても、雇用保険などの補償も分からなかった。

そんな不安もあって、私は内心とても苛立っていた。

前職での突然の解雇になった時に、東京本社への転勤を出されたのは、正社員。

私は契約社員だった。

東京から転勤してきた自分でも、契約満了として解雇された。


補償が何もない不安を知ったのはあれが初めてだった。

どういう雇用形態で働くか選べるなら、補償がされている正社員を希望するのは当然のように思えた。


不安が膨らみ、どうしようもなくなり、新しい会社の、上司に相談をすると、私の思いはかき消されるかのような答えだった。

「何が不安なんだろうか?会社に依存しない働きかたを自分は望んでいるから、その不安についてはわからない」
「自分はいつでも辞めれるスタンスで働いている」
「辞めることになった時に、雇用形態の違いで色々あるけれど、それ以外は同じなのではないか?」
「私は上司ではない、あくまで同率の立場です。あれこれ教えたりすることもないと思います。」


…はい。そうですね。


私はそれだけ答えた。
納得はしていなかったけど、納得したふりをしていたし、納得しなければと思った。この会社の、この人の考え方を、受け入れるしか選択肢がなかった。

時間が余っていることは、承知しているが、その人も自分の個人の仕事の作業をしているし、
私の作っている物は、以前の会社では完成だったが、この会社ではまだ未完成の状態であり、もっともっと最後の作業を丁寧にしていれば、時間は余るはずがないというのが、その人からの返答だった。


周囲の人に相談もした。

余った時間で、仕事で望まれている範囲以上を提出してみてはどうかという提案を受けて、そのようにした。
何案も出してみたり、
その作業についてまとめたり、レポートしたり。

しかし、
これは必要ない。ここまでやる必要ない。と言われた。
上司ではないと言った、同率の立場の人に、そんな指摘を受けることは、明らかに上司のように感じる。



過去のものをみて、この会社の目標の「完成」まで合わせて作ってみてくださいと言われた。
ただ、過去のものが最高傑作なのかどうか、私には疑問に感じるものもあった。

こうしたらいいのに。
ああしたらいいのに。

生意気にも、そんなことを思うことが多かった。
けれど、私に仕事を教えていた人は、経験の浅い人で、この手のやりとりや討論は全くしない。過去より良くなるとしても、過去に合わせて、過去に合わせてとしか言わないし、言えないような人だった。

そして、一番私のやる気を欠いた出来事があった。
制作を担当した名前を書く表が共有され、愕然とした。
今まで私が作っていたものは全てその人の名前で書かれていた。
この表は外部に出すものではない。東京に本社がある会社のため、本社と共有で見るものだろう。
しかし、初めは新人扱いであったとしても、半年間働いてもなお、それは続いているようだ。
自分の作業も、全て無意味に思えた…。